コロナ保証制度徹底比較!どれが一番トク?!

新型コロナウイルス感染症を受けて様々な金融機関で保証制度を伴った融資制度が出てきています。今回はそんな融資制度を比較して、何がどう違うのかを比較していこうと思います。なお、今回比較する保証制度は「セーフティネット保証4号」と「セーフティネット保証5号」と「危機関連保証」の3つです。

それぞれの詳しい説明に関しては下記の記事をご覧ください。

対象者の違いは?

それぞれ見ていきます。

対象者
【セーフティネット保証4号】
下記要件の両方に当てはまる事業者が対象となります。
①申請者が、下記の指定を受けた地域において3ヶ月以上継続して事業を行っていること。
②原則として最近1か月間の売上高又は販売数量が前年同月に比して20%以上減少しており、かつその後2か月間を含む3か月間の売上高等が前年同期に比して20%以上減少することが見込まれること。

【セーフティネット保証5号】
こちらの指定業種に該当していて、かつ下記要件のどちらかに当てはまる事業者が対象となります。
①最近3か月間の売上高等が前年同期比で5%以上減少している中小企業者。
②製品等原価のうち20%を占める原油等の仕入価格が20%以上上昇しているにもかかわらず製品等価格に転嫁できていない中小企業者。

【危機関連保証】
下記要件の両方に当てはまる事業者が対象となります。
①金融取引に支障を来しており、金融取引の正常化を図るために資金調達を必要としていること。
②原則として、最近1か月間の売上高等が前年同月比で15%以上減少しており、かつ、その後2か月間を含む3か月間の売上高等が前年同期比で15%以上減少することが見込まれること。

細かい違いなどはありますが、新型コロナウイルス感染症における保証制度の対象者で見ていくと大きく異なるのが売上の減少比率です。「セーフティネット保証5号:減少率5%」「危機関連保証:減少率15%」「セーフティネット保証4号:減少率20%」で比べると分かりやすいと思います。

融資額の違いは?

それぞれ見ていきます。

融資額
【セーフティネット保証4号】
一般保証とは別枠で2億8,000万円(※セーフティネット保証5号とは併用可だが、同じ枠になる)
保証割合は借入額の100%

【セーフティネット保証5号】
一般保証とは別枠で2億8,000万円(※セーフティネット保証4号とは併用可だが、同じ枠になる)
保証割合は借入額の80%

【危機関連保証】
一般保証や経営安定関連保証とは別枠で2億8,000万円
保証割合は借入額の100%

一般の保証枠とは別にそれぞれ融資枠が設けられているのがセーフティネット保証や危機関連保証の特徴です。別枠の定義に違いがありますが、それぞれ2億8000万円の融資枠が設定されていることに違いはありません。強いて言うのであれば保証割合が「セーフティネット保証4号と危機関連保証:100%」「セーフティネット保証5号:80%」となっており、金融機関で目線で見ると「セーフティネット保証4号」か「危機関連保証」で申請する方が審査が通りやすそうです。

申請に必要な書類の違いは?

それぞれの保証制度は中小企業庁というところが管轄となっており、申請に必要な準備物は各都道府県の市区町村毎で異なっています。登記上または事業実体のある事業所の所在地を管轄している各都道府県の市区町村のホームページで確認するか電話で問い合わせするかで必要資料をチェックする必要がありますが、必要書類はあまり大きく変わりません。

一般的に求められそうなものは下記の通りです。

準備物
各都道府県の市区町村が指定する様式の資料(法人・個人事業)
直近の月の売上台帳(法人・個人事業)
事業に関する許可証(法人・個人事業)
身分証明書(法人・個人事業)
履歴事項全部証明書(法人)
開業届(個人事業主)

申請方法は?

申請方法はある程度、似ています。どの保証制度も基本的に上記の申請に必要な資料を揃えて各都道府県の市区町村が指定する箇所に郵送すれば完了です。申請が無事に通れば認定書を貰えるので、その認定書を持って金融機関に相談しに行きましょう。金融機関での申請は金融機関毎に異なるので、詳しくは申請希望先の金融機関に問い合わせて確認するのが良いでしょう。

おおよその流れは以下の通りです。

申請方法・スケジュール
1.各種保証制度の申請書類準備と郵送手続き。
↓(各都道府県の市区町村で審査)
2.各種認定書が郵送されます。

3.最寄りまたは取引のある金融機関に相談。

4.相談先の金融機関が指定する申請資料準備と郵送手続き。
↓(金融機関審査)
5.融資実行

結局どれが一番お得?

今回の新型コロナウイルス感染症に関する保証制度に限っていえば

お得順
1.最近1か月間の売上高又は販売数量が前年同月に比して20%以上減少している場合は「セーフティネット保証4号」

2.セーフティネット保証4号の要件に当てはまらなければ「危機関連保証」

3.セーフティネット保証4号と危機関連保証の要件に当てはまらなければ「セーフティネット保証5号」

の順番で検討するのが良いかと思います。

理由としては申請に必要な資料や申請方法に大差なく、保証率100%のセーフティネット保証4号が条件にさえ当てはまっていれば一番借りやすいからです。

その他細かい要件等はありますが、まずはどの保証制度を利用したいかの目星をつけて、不明な点があれば中小企業庁のホームページから問い合わせ先を探して問い合わせてみるのが確実です。今回の保証制度や融資に関してはスピードが肝心なので、素早く自身にあった保証制度を見つけて申請していきましょう。

なお、保証制度と合わせて以下の記事の融資制度もオススメなので合わせてご覧ください。