独立するなら個人事業主か法人か

独立する時に悩むポイントとしてよく聞くのが個人事業主として独立するか法人として独立するかというものがあります。今回はそんなお悩みを解決すべく、個人事業と法人の比較やそれぞれのメリット・デメリットを解説します。

思い立ったらすぐに行動に移すのも大切ですが、個人事業主と法人のそれぞれの良し悪しを把握するのも大切です。しっかりと理解を深めた上でどの方法で独立するかを決めていきましょう。

個人事業主のメリット・デメリット

まずは個人事業主のメリットとデメリットを見ていきましょう。大きく分けると「設立の手間」「節税」「信用」の3点から見ていくことが出来ます。

個人事業主のメリット

個人事業主の最大のメリットは個人事業主として事業を行うまでの手続きが簡単ということです。極端な話でいうと開業届を出してしまえば、その瞬間から個人事業主になれます。

開業届には特別な資格や免許、費用などは発生しないので、「とりあえず事業をしてみるか」程度であれば、まずは個人事業主から始めるのが良いかもしれません。

個人事業主のデメリット

年間の売上が1,000万円以下の場合はあまり気にすることが無いと思いますが、それを超えてくると節税がやりにくくなります。経費として認められる範囲も狭く、赤字の繰越も3年までしか出来ないので、売上が大きく立ってきた個人事業主は法人成りを検討するのが良いかもしれません。

加えて、対外的な信用力も個人事業主の場合は低く、場合によっては法人と仕事することを拒まれることもあります。法人だからといって信用力が高いというわけではありませんが、個人事業主だとどうしても大きな仕事は受けられない傾向があります。法人とのやり取りが多く、信用力が必要な事業を行う場合は法人を検討するのが良いかもしれません。

法人のメリット・デメリット

次は法人のメリット・デメリットを見ていきます。個人事業主のメリット・デメリットの裏返しになる部分が多く、こちらも「設立の手間」「節税」「信用」の3点で見ていきます。

なお法人といっても様々な種類があるのですが、今回は株式会社や合同会社の法人としてのメリット・デメリットを見ていきます。

株式会社や合同会社を含む様々な法人の種類と意味合いについては下記の記事からご覧ください。

法人のメリット

法人のメリットとしては売上が大きくなると節税できる面が大きくなるということです。目安でいうと年間売上が1,000万円以上の場合は法人の方が個人事業主よりも節税しやすいと言えます。法人の方が経費として計上できる費用の幅が広く、個人事業主よりも節税しやすいと思ってもらってOKです。

また対外的な信用力も法人の方が個人事業主よりも高く、金融機関からの借り入れや株式による資金調達もやりやすいというのも法人の大きなメリットの一つです。

事業の年間売上が1,000万円を超え、融資や投資での資金調達を検討している人は法人として事業を行うのも良いかもしれません。

法人のデメリット

法人のデメリットとしては法人としての設立手続きに手間と時間がかかるという点です。自身で設立に関する手続きを行うとなると、費用は10万円以下で済みますが、1~2ヶ月ぐらいはかかるかもしれません。逆に専門家におまかせするとスムーズに手続きは行なえますが、費用は30万円ほどかかってしまいます。個人事業主とは違って複雑な手続きが必要なので、その点は事前に把握しておくほうが良いでしょう。

さらに、節税面のメリットをお話してましたが、実は法人というだけで年間売上が0円だったとしても法人税として最低約7万円の費用がかかります。とりあえず起業するなら法人で!という考えはせずに、これらのデメリットも押さえた上で検討するのが良いでしょう。

個人事業主と法人の主な比較

今まで述べてきた個人事業主と法人のメリット・デメリットを表にしてみました。細かいですが、前述した以外の内容も表として載せたので、ぜひそれぞれの違いを把握した上でどちらの方法で独立するかを検討するようにしましょう。

まとめ

今回は独立する際の個人事業主と法人のメリット・デメリットについて解説していきました。1人でやるから個人事業主、信用を得たいから法人というような安易な考えだけで行動するのではなく、独立後のそれぞれのメリット・デメリットを把握した上で行動する方が賢く立ち回れます。

これらの違いを知らない人は意外と多いので、この記事を読んだあなたは他の独立志望者よりも1歩先を見据えた上で行動できるようにしましょう。