全国銀行個人信用情報センター(KSC)って何?

個人信用情報機関の一つに全国銀行個人信用情報センター(通称:KSC)というものがあります。銀行や信用金庫の業界団体である全国銀行協会が運営する個人信用情報機関というのが特徴で、消費者金融や信販会社は加盟していません。

今回はそんな全国銀行個人信用情報センター(通称:KSC)について詳しく解説していきます。銀行融資やローン審査等で各種金融機関が利用する機関なので、特徴だけでも抑えておくと事業に役立つでしょう。

なお、個人信用情報機関そのものや他の個人信用情報機関に関する情報については下記の記事にまとめているので、興味のある人はご覧ください。

KSCの役割って何?

一言でいうと全国銀行協会に加盟する金融機関が与信取引上の判断をする際に用いる個人信用の管理機関です。加盟している金融機関側は消費者信用におけるローンや融資の貸付業務の円滑化等を図るために消費者が信用するに値する人物かどうかをKSCを通じて判断するようなイメージです。

全国銀行協会という銀行が加盟できる機関の関係者しか登録されている情報は見ることができず、この機関に加盟していない事業者は他の個人信用情報機関に加盟して情報をチェックすることになります。

KSCに登録されている情報って何?

大きく分けて8種類あります。それぞれの内容と登録期間を記載します。

【本人情報】
内容:氏名、生年月日、性別、住所(本人への郵便不着の有無等を含む)、電話番号、勤務先等
登録期間:下記の情報のいずれかが登録されている期間

【取引情報】
内容:ローンやクレジットカード等の契約内容とその返済状況(入金の有無、延滞・代位弁済・強制回収手続等の事実を含む)の履歴
登録期間:契約期間中および契約終了日(完済されていない場合は完済日)から5年を超えない期間

【照会記録情報】
内容:会員がセンターを利用した日、ローンやクレジットカード等の申込み・契約の内容等
登録期間:当該利用日から、本人開示の対象は1年を超えない期間、会員への提供は6か月を超えない期間

【不渡情報】
内容:手形交換所の第1回目不渡、取引停止処分
登録期間:第1回目不渡は当該発生日から6か月を超えない期間、取引停止処分は当該処分日から5年を超えない期間

【官報情報】
内容:官報に公告された破産・民事再生手続開始決定等
登録期間:当該決定日から10年を超えない期間

【苦情受付コード】
内容:登録情報に関する苦情を受け、調査中である旨
登録期間:当該調査中の期間

【本人申告情報】
内容:本人確認資料の紛失・盗難、同姓同名別人の情報がセンターに登録されており自分と間違えられるおそれがある旨等のご本人からの申告内容
登録期間:登録日から5年を超えない期間

【貸付自粛情報】
内容:ご本人に浪費の習癖があることやギャンブル等依存症によりご本人やその家族の生活に支障を生じさせるおそれがあることから、自らを自粛対象者とする旨のご本人からの申告内容
登録期間:申告日から5年を超えない期間

個人信用情報の開示請求方法

KSCでは自分自身の信用情報は開示請求手続きを行えば見ることができます。開示請求方法は郵送のみで、その手続方法は下記手順になります。詳しくは公式ホームページにも記載があるので、興味のある人は合わせてチェックしてみてください。

KSCの開示請求方法
1.登録情報開示申込書に必要事項を記入する
2.1,000円分の定額小為替証書を用意する
3.登録情報開示申込書、定額小為替証書、本人確認書類を同封して郵送する
4.開示結果を受け取る

なお郵送先は下記の通りで、情報開示の結果を受け取るまでに約2週間ほどの期間を要する点には注意しましょう。

書類の送付先
〒100-0005
東京都千代田区丸の内2-5-1
一般社団法人全国銀行協会 全国銀行個人信用情報センター
※フリーダイヤル:0120-540-558

さいごに

全国銀行個人信用情報センター(通称:KSC)に焦点を当てて解説していきました。銀行関連の金融機関は融資やローンを行う際に必ずと言っていいほどチェックする情報なので、審査に通らず悩んでいる場合は、自身の信用情報に傷がついていないかを確かめるためにKSCに開示請求手続きを行うのを検討することをオススメします。