事業者必見!小規模事業者持続化補助金 コロナ特別対応型(2020年)

毎年発表されている小規模事業者持続化補助金。今回は新型コロナウイルス感染症の影響により業績が大幅に悪化した企業も多いハズ。少しでも経済支援対策になるように、なんと今回特別に小規模事業者持続化補助金に”コロナ特別対応型”というものが発表されました。ベースは通常の小規模事業者持続化補助金と同じなのですが、申請機関や対象者、その他準備するものが微妙に違うので、そちらも合わせて解説していきます。

通常の小規模事業者持続化補助金よりも対象者はやや狭められた感じですが、提出書類は簡素化されているので、興味のある方は要チェックです!

小規模事業者持続化補助金のコロナ特別対応型って何?

日本商工会議所が新型コロナウイルス感染症の特別支援対策として発表した補助金です。通常の小規模事業者持続化補助金は異なった応募期間・応募基準・補助支援率が設定されており、必要書類の中に「どの様な事業を行っているのか」「なぜ新型コロナウイルスの影響で売上が下がったのか」「今後どのように発展していくのか」を含んだ事業計画書が必要になってきます。

公式HPはこちら

小規模事業者持続化補助金のコロナ特別対応型の申請期限は?

非常に短期間の申請期限となっており、通常の小規模事業者持続化補助金と違って期間的に一度審査に落ちてしまうと再審査が難しくなっています。締切から逆算しながら必要書類を準備するようにしましょう。

申請詳細
第1回受付締切:2020年5月15日【郵送:必着】
第1回採択結果:2020年5月下旬頃
第1回採択者の補助事業の実施機関:交付決定通知受領後~2021年1月31日まで

第2回受付締切:2020年6月5日【郵送:必着】
第2回採択結果:2020年8月下旬頃
第2回採択者の補助事業の実施機関:交付決定通知受領後~2021年3月31日まで

第3回受付締切:2020年8月7日(金)【郵送:必着】
第3回採択者の補助事業の実施機関:交付決定通知受領後~2021年6月10日まで

第4回受付締切:2020年10月2日(金)【郵送:必着】
第4回採択者の補助事業の実施機関:交付決定通知受領後~2021年8月10日まで

小規模事業者持続化補助金のコロナ特別対応型の対象者は?

日本商工会議所が定義している以下の業種・人数・組織に当てはまっていることが条件になります。通常の小規模事業者持続化補助金とほぼ対象者は同じです。業種や人数が当てはまっていても対象にならない組織もあるので注意しましょう。

商業・サービス業(宿泊・娯楽業除く)

【人数】
常時使用する従業員の数5人以下

【定義】
・他者から仕入れた商品を販売する(=他者が生産したモノに付加価値をつけることなく、そのまま販売する)事業
・在庫性・代替性のない価値(=個人の技能をその場で提供する等の流通性がない価値)を提供する事業
※自身で生産、捕獲・採取した農水産物を販売するのは「商業・サービス業」ではなく「製造業その他」に分類

サービス業のうち宿泊業・娯楽業

【人数】
常時使用する従業員の数20人以下

【定義】
・宿泊を提供する事業(また、その場所で飲食・催事等のサービスを併せて提供する事業も含む)
・映画、演劇その他の興行および娯楽を提供する事業、ならびにこれに附帯するサービスを提供する事業

製造業

【人数】
常時使用する従業員の数20人以下

【定義】
・自者で流通性のあるモノ(ソフトウェアのような無形の商品や無形の価値を含む)を生産する事業
・他者が生産したモノに加工を施したりするなどして、更なる価値を付与する事業(在庫性のある商品を製造する事業)

その他

【人数】
常時使用する従業員の数20人以下

【定義】
「商業・サービス業」、「宿泊業・娯楽業」、「製造業」の定義に当てはめることが難しい事業建設業、運送業等)や、区分が異なる複数の事業を営んでいるなど判断が難しい事業

上記の業種・人数に当てはまった上で対象となる組織

・会社および会社に準ずる営利法人(株式会社、合名会社、合資会社、合同会社、特例有限会社、企業組合・協業組合)
・個人事業主(商工業者であること)
・一定の要件を満たした特定非営利活動法人

上記の業種・人数に当てはまった上でも対象とならない組織

・医師、歯科医師、助産師
・系統出荷による収入のみである個人農業者(個人の林業・水産業者についても同様)
・協同組合等の組合(企業組合・協業組合を除く)
・一般社団法人、公益社団法人
・一般財団法人、公益財団法人
・医療法人
・宗教法人
・学校法人
・農事組合法人
・社会福祉法人
・申請時点で開業していない創業予定者(既に税務署に開業届を提出していても、開業届上の開業日が申請日よりも後の場合は対象外)

小規模事業者持続化補助金のコロナ特別対応型の対象となる事業は?

通常の小規模事業者持続化補助金であれば事業の制限は特に設けられていませんが、コロナ特別対応型に限っては下記の様に対象となる事業が設定されています。

対象事業
前提条件:補助対象経費の6分の1以上が、以下の要件に合致する投資であること

【A:サプライチェーンの毀損への対応】
例1)外部からの部品調達が困難であるため、内製化するための設備投資
例2)製品の安定供給を継続するため、老朽化した設備更新を行うための投資
例3)コロナの影響により、増産体制を強化するための設備投資
例4)他社が営業停止になったことに伴い、新たな製品の生産要請に応えるための投資

【B:非対面型ビジネスモデルへの転換】
例1)店舗販売をしている事業者が、新たにEC販売に取り組むための投資
例2)店舗でサービスを提供している事業者が、新たにVR等を活用してサービスを提供するための投資
例3)有人で窓口対応している事業者が、無人で対応するための設備投資
例4)有人でレジ対応をしている事業者が、無人で対応するための設備投資
※単に認知度向上のためのHP開設は、対象になりません。

【C:テレワーク環境の整備】
例1)WEB会議システムの導入
例2)クラウドサービスの導入

要約すると、遠隔・非対面・Web上で完結するサービスへの投資に注力した事業ではないと今回の小規模事業者持続化補助金のコロナ特別対応型には当てはまりにくいということになります。

小規模事業者持続化補助金のコロナ特別対応型の金額は?

補助率・補助額
・補助率 補助対象経費の2/3以内
・補助上限額:100万円
※150万円以上の補助対象となる事業費に対し、100万円を補助します。
※150万円未満の場合は、その2/3の金額を補助します。
つまり、補助対象となる経費を150万円以上使っていれば満額の100万円が貰えると思っておいてOKです。逆に150万円未満だと”その金額×2/3″の金額がもらえる上限になることを押さえておきましょう。さらに審査が通れば事前に貰えるお金というわけではなく、補助対象となる事業費を支払った後に申請して貰えるお金になるので、後から貰えるお金という認識でおきましょう。

※2020年5月22日に追加情報として補助率が上方修正されました。「【A:サプライチェーンの毀損への対応】の補助率2/3」「【B:非対面型ビジネスモデルへの転換】の補助率3/4」「【C:テレワーク環境の整備】の補助率3/4」となっています。

また、通常の小規模事業者持続化補助金よりも補助額がアップしているので、コロナ特別対応型に当てはまる事業計画が設定できる事業者はコロナ特別対応型を狙っていきましょう。

では次にその補助対象となる事業費について見ていきます。

補助対象となる事業費
①機械装置等費
②広報費
③展示会等出展費
④旅費
⑤開発費
⑥資料購入費
⑦雑役務費
⑧借料
⑨専門家謝金
⑩専門家旅費、
⑪設備処分費(補助対象経費総額の1/2が上限)
⑫委託費
⑬外注費
※詳しくはこちらのP26~P36に記載されているので、こちらも合わせてチェックしましょう。
色々書いていますが、押さえておきたいポイントとしては、現状かかっている家賃や人件費等のランニングコスト、本申請事業以外にも使用機会がありそうなもの(パソコンやその他周辺機器)は補助対象経費外になることです。本申請事業のみにかかる経費が補助対象となる事業費だと思っておきましょう。こちらは通常の小規模事業者持続化補助金と大差ないので、コロナ特別対応型への応募に乗り換えを検討している事業者は必要経費だけ見直すと良いでしょう。

小規模事業者持続化補助金のコロナ特別対応型の必要書類は?

1社または1事業者で申請するか、複数の会社や事業者で連名で出す場合によって書類が異なるので、それぞれ見ていきます。

1社または1事業者で申請する場合
・様式1-1:小規模事業者持続化補助金事業(コロナ特別対応型)に係る申請書
・様式2:経営計画書
・様式3:支援機関認定書
・様式4:小規模事業者持続化補助金事業(コロナ特別対応型)交付申請書
・様式5:小規模事業者持続化補助金事業(コロナ特別対応型)に係る補助金概算払請求書
※様式5は任意書類になります
・様式1,2,4,(必要な場合は様式5も)をまとめた電子媒体(CD-R/DVD-R/USBメモリ 等)
・直近一年分の貸借対照表および損益計算書(法人の場合/決算を迎えていない場合は不必要)
・直近の確定申告書(個人事業主の場合/確定申告がない場合は開業届を提出)
・直近一年分の貸借対照表および活動報告書(特定非営利活動法人の場合/決算を迎えていない場合は公益法人等収益事業開始申告書の写しを提出)
・直近一年分の法人税確定申告書(特定非営利活動法人の場合/決算を迎えていない場合は公益法人等収益事業開始申告書の写しを提出)
・現在事項全部証明書または履歴事項全部証明書(特定非営利活動法人の場合)
複数の会社や事業者で連名で出す場合
・様式1-2:小規模事業者持続化補助金事業(コロナ特別対応型)に係る申請書
・様式1-2別紙:複数事業者による共同申請/共同申請者一覧
・様式2:経営計画書
・様式2-2:経営計画書(共同申請)
・様式3:支援機関確認書
・様式4:小規模事業者持続化補助金事業(コロナ特別対応型)交付申請書
・連携する全ての小規模事業者の連名で制定した共同実施に関する規約(最低限、①構成員・目的、②全構成員の役割分担、③費用負担の方法、④共同利用する財産の管理方法を盛り込む必要有)
・様式1-2,1-2別紙,2,2-2,4をまとめた電子媒体(CD-R/DVD-R/USBメモリ 等)
・直近一年分の貸借対照表および損益計算書(法人の場合/決算を迎えていない場合は不要)
・直近の確定申告書(個人事業主の場合/確定申告がない場合は開業届を提出)
・直近一年分の貸借対照表および活動報告書(特定非営利活動法人の場合/決算を迎えていない場合は公益法人等収益事業開始申告書の写しを提出)
・直近一年分の法人税確定申告書(特定非営利活動法人の場合/決算を迎えていない場合は公益法人等収益事業開始申告書の写しを提出)
・現在事項全部証明書または履歴事項全部証明書(特定非営利活動法人の場合)

様式3に関しては様式2,(と連名の場合は2-2)を作成後、管轄内の商工会議所に持参し、担当者に確認してもらうことで貰うことができます。また単体で出す時に限り、様式5を提出して審査が通れば、一部補助金を事前に受け取れる制度もあるので、先に補助金を受け取って事業を行いたいと考えている事業者はチェックするようにしましょう。

しかし様式5を提出するには更に下記資料が必要になるので、申請する場合は合わせて準備しましょう。

様式5の提出に必要な準備物
・通帳コピー
・市区町村が発行した売上減少証明書の原本1部

小規模事業者持続化補助金のコロナ特別対応型の申請方法は?

こちらは通常の小規模事業者持続化補助金と違って郵送申請のみです。また、申請後の流れは下図のとおりです。


参照元

郵送先
〒151-0051
日本商工会議所 小規模事業者持続化補助金 事務局
東京都渋谷区千駄ヶ谷3-11-8
電話番号:03-6447-5485
※封筒の表に「コロナ特別対応型 応募書類在中」と記載必須

まとめ

今回は小規模事業者を対象にした小規模事業者持続化補助金のコロナ特別対応型について解説しました。かなり特例の措置で、審査が簡略化され補助率も高いので、条件に当てはまる人はチェックしておきましょう。

また、この小規模事業者持続化補助金に関しては”補助金”なので、ある一定の審査があります。その審査に合格しなければ補助金はもらえない+補助金で事業を行った後は一定の報告義務が発生するので、その点だけ注意しましょう。